ビニールクロスが必要な家は本当に健康的?WB工法とコットンクロスで変わる暮らしの質
目次
こんにちは!😊
姫路でWB工法を採用した家づくりを行っている、WBHOUSE歴7年目のフォレストのちむです。
今回は、本当は怖~いビニールクロスのお話です。
現代の住宅では、「24時間換気システム」の設置が義務付けられているのを知っていますか?
これは、家全体の空気を強制的に入れ替えるための設備で、住まいの健康を保つために欠かせない存在です。
私は家を建てるときに、このシステムが義務付けられていることを初めて知りました。
今でこそ、義務付けられているシステムですが、少し前までの住宅にはこんなシステムは必要ありませんでした。
では、なぜ今の家では、機械の力を使ってまで空気を入れ替える必要があるのでしょうか?
その理由には「ビニールクロス」の黒歴史の背景があります。
平成初期に社会問題となった「シックハウス症候群」
高気密住宅が引き起こした“静かな健康被害
「新築に住み始めたら、なぜか頭痛や吐き気が続く…」
そんな声が全国で聞かれるようになったのが、平成初期の2000年代初頭。当時、日本の住宅では高気密・高断熱化が進み、省エネ性能の高い家が主流となっていました。
気密性、断熱性が良くしかも省エネ性能まで?夢のようなマイホームが出来そうに思えますよね。
しかしその一方で、家の中の空気がこもりやすくなり、室内空気の質が問題視されるようになったのです。
その原因のひとつが、壁材や接着剤、塗料などから放出される化学物質。これらが室内に滞留し、健康に悪影響を及ぼす――これがいわゆる「シックハウス症候群」です。
シックハウスの象徴=ビニールクロス
中でも、室内の壁材として広く使われていたビニールクロスは、シックハウスの一因として注目を集めました。
主成分であるポリ塩化ビニル(PVC)には、製造時・施工時に多くの化学物質が含まれており、また通気性が極めて低いため、室内の空気環境を悪化させる要因となります。
夢のマイホームのはずが、住むと病気になる家に変わってしまったのです。
シックハウスを引き起こした要因とは?
① 揮発性有機化合物(VOC)の存在
当時多く使われていた合板、塗料、そして壁紙に含まれていたのが、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどのVOC(揮発性有機化合物)です。
「ホルムアルデヒド」の名前は私も聞いたことがありました!
字面からしてもなんだか良くない物質、って感じがしませんか(笑)
これらは時間の経過とともに室内に揮発し、長期間吸い込むことでアレルギーや呼吸器系の不調を引き起こすことが分かりました。
② ビニールクロスの普及
特に注目されたのが、ビニールクロス。
水拭きで手入れがしやすく、価格も手ごろでデザインが豊富なため、当時の新築住宅で急速に普及しました。
しかしその裏では、化学物質を含む素材であること、通気性がなく湿気がこもりやすいこと、静電気によってホコリを吸着しやすいことなど、住環境にとって多くのデメリットが存在していたのです。
国の対応と24時間換気の義務化
こうした背景から、2003年には建築基準法が改正され、ホルムアルデヒドを含む建材の使用が制限されました。
同時に導入されたのが、「24時間換気システム」の設置義務化です。機械的に空気を入れ替えることで、シックハウスの原因となる化学物質を室外に排出する仕組みです。
この制度により、新築住宅における健康被害は一定程度抑えられるようになりましたが、根本的な解決には至っていません。
「寒くて暑い家」から、高気密、高断熱、おまけに省エネな家が普及してきて、実際に建てて住んでみたら、体が不調、病気になっちゃった!
じゃあ、病気の原因となる有害な化学物質の使用の制限と、24時間の換気システムを導入するから、これで大丈夫だよね??というわけですね。
これですべてが解決できたとは言えませんよね。う~ん・・・🤔
例えば化粧品。
「この化粧品は値段がお手頃で種類もたくさんありますよ~!今人気でみなさん買われてますよ。
でも実はこの化粧品、ニキビや、肌荒れを起こす成分が入ってるんですよ~
ずっと使い続けていると肌荒れを起こしてしまいます。
あっでも大丈夫!その肌荒れはこの保湿剤とクリームを使えば防止することができますので、それも一緒に買ってくださいね」
こんなことを言われても、その化粧品買いますか?
ビニールクロスのデメリットとは?
ビニールクロスは、汚れに強く、水拭きもできる便利な内装材として広く普及しています。
しかし、その裏には、あまり知られていないデメリットが存在します。
① 化学物質の放出による健康リスク
ビニールクロスの主成分はポリ塩化ビニル(PVC)。
ビニールクロスを作る時には『揮発性有機化合物(VOC)』などの化学物質を多く使用しています。
これらの化学物質は、時間の経過とともに室内に放出され、頭痛・めまい・アレルギー・倦怠感などを引き起こすことがあります。
気づかないうちに、見えないものがジワジワと人間の体に入ってきて、健康被害を及ぼすと想像すると
ぞっとしませんか?
中には化学物質過敏症を発症し、日常生活が困難になるケースも。
化学物質過敏症とは・・
化学物質過敏症(Chemical Sensitivity/CS)とは、日常生活の中にあるごく微量の化学物質に対して、体が過敏に反応してしまう状態のことを指します。
頭痛や吐き気、めまいなどを引き起こします。これは化学物質に反応して体が『やめて!』と叫んでいるサインです。
一度発症すると、香料や洗剤、建材に含まれる成分など、身の回りの“におい”や“空気”によって体調を崩すようになり、日常生活すら難しくなるケースもあります。
花粉症のように、ある日突然発症することもある、誰にでも起こりうる病気なのです。
実際に化学物質過敏症で苦しんでいる患者数は全国で七十万人とも百万人ともいわれていますが発症してしまうと、特効薬はなく確立された治療法もありません。
② 通気性の悪さによるカビのリスク
ビニールクロスは通気性が非常に低く、湿気を溜め込みやすいという特性があります。
人が生活する中で発生する呼気や汗の湿気が壁の中に滞留し、やがてカビの原因に。特に浴室やキッチンなどの水まわりでは、クロスの裏側がカビまみれになることも珍しくありません。
断熱材がカビで真っ黒になるケースもあり、知らず知らずのうちにカビと共に生活していることも……。
カビはアレルギーや喘息などの呼吸器系疾患の原因にもなるため、健康被害だけでなく、住宅の劣化や高額な修繕リスクも孕んでいます。
③ 静電気による埃の付着
ビニールクロスは静電気を帯びやすく、埃や汚れを引き寄せやすい性質があります。
特にアレルギー体質の方にとっては、室内の埃が症状悪化の引き金になることも。
また、日々の掃除の手間が増え、見た目の美しさも損なわれやすいというデメリットもあります。
④ 環境への負荷
製造時に多くの化学物質を排出し、廃棄時にはダイオキシンなどの有害物質が発生することもあるビニールクロス。
地球環境に与える影響は決して小さくなく、近年は「サステナブルな素材選び」が求められる中、ビニールクロスのあり方が見直されつつあります。
⑤ 長期的な耐久性に不安
短期間の使用であれば問題ありませんが、年数が経つと紫外線による色褪せや劣化が発生。
結果的に、貼り替えや修繕が必要となり、メンテナンスコストがかさんでしまうケースも少なくありません。
ビニールクロス、いいとこないじゃん・・
WB工法とコットンクロスという選択
そこで、私たちがご提案しているのが「WB工法」×「コットンクロス」の組み合わせです。
コットンクロスは、天然素材(綿)を主成分とした通気性の高い壁材です。
フォレストの健康住宅では、ホルムアルデヒドなどの有害物質を含まない自然素材を厳選して使用しています。
また空気中に放出される揮発性有機化合物の心配もほとんどありません。
さらに、湿気を吸収・放出する「調湿作用」もあり、壁内の結露やカビの発生を防ぎます。
またWB工法では、自然の力を使って家が呼吸する仕組みを取り入れており、そもそも機械に頼らずとも空気が流れる健康的な住環境をつくることができます。
一部ビニールクロスも取り入れる理由
私たちの住宅では、基本的にコットンクロスを標準採用していますが、全てを天然素材にするのが難しいケースもあります。
例えば、「この柄を使いたい!」というお客様のご希望や、アクセントクロスとしてのデザイン面で、部分的にビニールクロスを使うこともあります。
WB工法では、家全体に対して何%以上をコットンクロスにする、という基準も設けられており、その基準を守りながら、お施主様のご要望にも柔軟に対応しています。

まとめ:素材選びから健康な暮らしを
平成初期に社会問題となったシックハウス症候群は、私たちに「住まいに使う素材の重要性」を教えてくれました。
一見便利そうに見えるビニールクロスも、長い目で見れば健康や環境への影響は小さくありません。
家族の明るい未来が奪われてしまいます。
大切なのは、見た目だけではなく、「どんな空気の中で暮らしていくか」を考えること。
コットンクロスやWB工法のように、自然の力を活かしながら心地よく暮らせる住まいを選ぶことが、家族の健康を守る第一歩となります。
ちなみに私はこの記事を書きながら、ビニールクロスの怖さを知り、コットンクロスを採用している
WBHOUSEに住めて良かったと心から思います。
健康は何にも替えることはできませんし、大切な家族の健康も守ってくれます。
あなたの家族の健康と快適な暮らしのために、ぜひ一度、素材選びから見直してみてはいかがでしょうか?
そろそろ家庭菜園の準備をしたいちむでした。

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