意外と知らないビニールクロスのデメリット
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こんにちは!兵庫県姫路市でWB工法を採用した健康住宅を建てているフォレストです。
現代の住宅は「24時間換気システム」をつけることが義務付けられています。
昔はそんな換気システムは必要ありませんでした。なぜ、わざわざ機械の力を使って家中の空気を換気しなければいけないのでしょうか?
その要因のひとつにビニールクロスがあります。
ビニールクロスは、住宅の内装に広く使われている便利な素材です。今暮らしている住まいの壁を触ってみてください。つるっとしていて、汚れた時も水拭きすると簡単にふき取ることができます。しかし、そのデメリットについてはあまり知られていません。今回は、ビニールクロスがもたらす身体的影響を中心に、その注意点について詳しく解説します。
(弊社ではWB工法の特徴を活かすため、コットンクロスを採用しています。)
ビニールクロスのデメリット①化学物質の放出
ビニールクロスは、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分としています。このPVCは、製造過程で様々な化学物質を使用しています。特に揮発性有機化合物(VOC)は、時間が経つにつれて徐々に空気中に放出されるため、室内の空気質を悪化させる可能性があります。VOCは、長期的に吸入することで、頭痛、めまい、アレルギー症状などを引き起こすことがあります。
このような症状がある場合、化学物質過敏症を疑ってみると良いかもしれません。重度の化学物質過敏症患者は、家族と離れひとり車中泊をしないと生きていけない…という方もいらっしゃいます。
(「毎日が災害」化学物質過敏症の高知県内女性 柔軟剤や合成洗剤の香りが「凶器」に 厳しい冬を独り車中泊で過ごす 高知新聞)
花粉症と同じように、急に発症する方がほとんど。この情報を知って、できるだけ化学物質の中で過ごさないことが大事です。
ビニールクロスのデメリット②カビの繁殖
ビニールクロスは、通気性が低いため、湿気がこもりやすい環境を作り出します。赤ちゃんのおむつに ビニール素材は使わないですよね。人が呼吸や汗として出た水分が、ビニールクロスでは外に排出されません。特に、浴室やキッチンなど湿気が多い場所では、クロスの裏側にカビが発生しやすくなります。つまり壁体内がカビまみれになり、真っ黒になった断熱材にくるまれた家で生活することになります。
カビは、アレルギーや喘息などの呼吸器系の問題を引き起こす可能性があります。また、カビの除去には手間と時間がかかるため、健康だけでなくメンテナンス面でも大きなデメリットとなります。
ビニールクロスのデメリット③静電気による埃の付着
ビニールクロスは静電気を帯びやすい特性があります。そのため、埃や汚れが付きやすく、見た目の美しさを損なうだけでなく、掃除の手間も増えます。特に、アレルギーを持つ方にとっては、埃の蓄積が症状を悪化させる原因となるため、注意が必要です。
ビニールクロスのデメリット④環境への影響
ビニールクロスは、製造過程や廃棄時に環境に悪影響を及ぼすことが知られています。製造時には有害な化学物質が排出され、廃棄時には焼却処分されることでダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があります。これらの物質は、地球環境や人々の健康に深刻な影響を与えるため、ビニールクロスの使用は環境負荷を考慮する必要があります。
ビニールクロスのデメリット⑤長期的な耐久性の問題
ビニールクロスは、短期間であれば耐久性がありますが、長期的には劣化しやすいという欠点があります。紫外線による色褪せや、時間が経つことで素材自体が脆くなり、破れやすくなることがあります。これにより、頻繁な交換や修繕が必要となり、コスト面でも不利になります。
まとめ
ビニールクロスは、その手軽さと多様なデザインで人気がありますが、健康や環境への影響、メンテナンスの手間など、さまざまなデメリットが存在します。特に、室内の空気質を重視する方やアレルギーを持つ方にとっては、慎重に選ぶことをおすすめします。
弊社では基本的に全面コットンクロスを採用していますが、一部ビニールクロスを貼ることもあります。それはビニールクロスにしかない柄や色味があるためです。
WB工法では家全体の何%がコットンクロスであること…という決まりもあります。その水準をクリアしつつ、「この柄を使いたい!」というお施主様のご希望に沿う形でご提案させていただきます。
クロス一つとっても、住環境に適した素材を選び、健康で快適な生活を送っていきたいものですね。
文責:堀川